ハリウッド ウォーク オブ フェイム:観光客が知らない裏側と星を手に入れるための「意外な代償」

ハリウッド ウォーク オブ フェイム:観光客が知らない裏側と星を手に入れるための「意外な代償」

ロサンゼルスに行けば、誰だって一度は地面を見つめながら歩くことになります。

ハリウッド ウォーク オブ フェイム。ピンク色のテラゾで作られた星形が、ハリウッド大通りと通り沿いの歩道に果てしなく続く光景は、まさにエンターテインメントの聖地そのもの。でも、実際に行ってみると「え、これだけ?」という拍子抜けした顔をしている観光客をよく見かけます。

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正直なところ、あの場所はキラキラした夢の国ではありません。

むしろ、歴史と野心、そして少しの「世俗的な事情」が入り混じった、かなり泥臭い場所なんです。

ハリウッド ウォーク オブ フェイムの星は「タダ」ではない

多くの人は、素晴らしい功績を残したスターにハリウッド商工会議所が敬意を表して、勝手に星を設置してくれていると思っています。

残念ながら、それは大きな間違い。

実は、あの星を設置するには**75,000ドル(2024年時点)**という高額な費用がかかります。

日本円に直すと、1,000万円を軽く超える金額です。しかもこれ、誰が払うと思いますか?多くの場合、スター本人ではなく、映画の配給会社やレコードレーベル、あるいは熱狂的なファンクラブが工面します。

つまり、新作映画の公開やアルバムのリリースのタイミングに合わせた「プロモーション」としての側面が非常に強い。

星をもらうためのプロセスも、かなりビジネスライクです。まず、本人の同意が必要。それから、テレビ、映画、音楽、ラジオ、ライブパフォーマンス、スポーツエンターテインメントのいずれかのカテゴリーで、最低5年の活動実績が求められます。

申請書を送ればOKというわけでもありません。毎年300件近いノミネートの中から、選考委員会が選ぶのはわずか30名程度。

選ばれたら、設置費用を支払い、さらに本人が授与式に出席することを約束しなければなりません。この「出席義務」が意外とネックで、多忙なスターやシャイな俳優が辞退することもしばしば。

ちなみに、1960年の設立当初の費用はわずか数千ドルでした。インフレの影響もあるにせよ、今やハリウッドの地面は、世界で最も地価の高い「広告スペース」になっていると言っても過言ではありません。

誰も教えてくれない「ガッカリ」を回避する歩き方

ハリウッド ウォーク オブ フェイムを訪れる際、キラキラしたレッドカーペットのような雰囲気を期待していくと、高確率で打ちのめされます。

現実のハリウッド大通りは、かなり騒々しい。

怪しげなコスプレをしたパフォーマー(勝手に写真を撮るとチップを要求されます)や、大音量で音楽を流す観光バス、そして独特の匂い。

特にハイランド・アベニュー周辺の混雑は凄まじいです。もし、ゆっくりとお気に入りのスターの名前を探したいなら、早朝に行くのが鉄則。午前8時くらいまでなら、まだ掃除が終わったばかりの比較的きれいな歩道を見ることができます。

それから、範囲がめちゃくちゃ広いんです。

ハリウッド大通りの東はゴーワー・ストリートから、西はラ・ブレア・アベニューまで。さらに、バイン・ストリートにも南北に伸びています。全部歩こうとしたら数時間はかかりますし、足は棒になります。

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見逃せない「隠れた名所」と豆知識

特定のスターを探しているなら、事前に公式サイトの「Walk of Fame Directory」で場所を確認しておかないと、砂漠で針を探すような羽目になります。

  • モハメド・アリの星: 彼は自分の名前(預言者の名前でもある)が踏まれるのを拒んだため、彼の星だけは地面ではなく「ドルビー・シアター」の壁に設置されています。
  • アポロ11号の宇宙飛行士: 彼らはエンターテインメント界の人間ではありませんが、テレビ放送を通じて歴史的な貢献をしたとして、四隅に円形のプレートが設置されています。
  • 同じ名前のスター: 同姓同名で別人、というパターンもいくつかあります。例えば「マイケル・ジャクソン」。キング・オブ・ポップの星はもちろんありますが、ラジオパーソナリティのマイケル・ジャクソンの星も存在します。間違えて違う方の前で記念撮影をしている観光客をよく見かけますが、それはそれで面白い思い出かもしれません。

そもそも、なぜこんなものが作られたのか?

1950年代、ハリウッドは活気を失いかけていました。

映画産業が黄金時代を過ぎ、街を活性化させるためのアイデアとして浮上したのが、この「歩道に名前を刻む」という案です。

最初に試作品が作られた際、使われたのはジョン・ウェインやオードリー・ヘプバーン……ではなく、当時はまだ一般的だった別の俳優たちでした。1958年に8つの星がプレビューとして公開され、1960年にようやく建設がスタート。

最初の公式な星は、女優のジョアン・ウッドワードのものだと言われています。

面白いことに、このプロジェクトは当初、多くの訴訟に巻き込まれました。自分の名前が入っていないことに激怒した俳優や、近隣の不動産所有者が建設に反対したためです。

今では世界中から年間1,000万人以上が訪れる観光地になりましたが、スタートはかなり前途多難だったわけです。

汚れ、落書き、そして「剥奪」されない星たち

ハリウッド ウォーク オブ フェイムの維持管理は、想像以上に大変です。

毎日数万人が踏みつけ、ガムを吐き捨て、時にはいたずらで汚される。

近年、政治的な理由でドナルド・トランプ氏の星が何度も破壊されたニュースは有名です。つるはしで砕かれたり、落書きされたり。それでも、ハリウッド商工会議所は「歴史的なランドマークの一部である」として、星を撤去することはありません。

不祥事を起こしたスターの星を消すべきだ、という議論も頻繁に起こります。

ビル・コスビーやケヴィン・スペイシーの件が報じられた際、抗議の声が上がりました。しかし、商工会議所のスタンスは一貫しています。「一度設置された星は、歴史の一部。後から取り消すことはない」という方針です。

この「一度刻んだら消さない」という頑固なまでのルールが、良くも悪くも、この場所をただの観光地ではなく「記録保管所」のような存在にしています。

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これから訪れる人が絶対に守るべき「3つの鉄則」

もしあなたがこれからハリウッドへ向かうなら、以下のことだけは覚えておいてください。

  1. 「プレゼント」を受け取らない: 通りでは、自称ラッパーがCDを配っていたり、僧侶のような格好をした人がブレスレットを渡してきたりします。「Free(無料)」と言ってきますが、受け取った瞬間に金を要求されます。無視して歩き続けるのが正解です。
  2. チップの相場を知っておく: キャラクターの着ぐるみと一緒に写真を撮るなら、1人あたり5ドル〜10ドル程度のチップが必要です。撮る前に交渉するか、関わりたくないならカメラを向けないことです。
  3. 食事は一本裏道へ: ハリウッド大通り沿いのレストランは、観光客価格で味もそこそこの場所が多い。少し歩いてサンセット大通りまで行けば、もっとローカルで美味しいダイナーやカフェが見つかります。

未来のウォーク オブ フェイム

近年では、ビデオゲームのキャラクターや、YouTubeなどで活躍するデジタルクリエイターの殿堂入りについても議論されるようになっています。

時代に合わせて、星の定義も少しずつ変わってきているんです。

ハリウッドという街自体、現在は再開発が進んでおり、以前のような「ちょっと危ない雰囲気」から、より洗練された都市へと変貌を遂げようとしています。それでも、あの地面に埋め込まれたピンク色の星だけは、変わらずにそこにあり続けるでしょう。

結局のところ、ハリウッド ウォーク オブ フェイムは「成功の証」であると同時に、ハリウッドという巨大なマーケティングマシンの一部です。

でも、お気に入りの俳優の名前を見つけた時のあのちょっとした高揚感は、理屈では説明できません。

実践的なアドバイス:効率的なルート設計

  • スタート地点: ハリウッド&ハイランド(TCLチャイニーズ・シアター前)から始めるのが最もスタンダードです。ここには最も有名なスターの星が集中しています。
  • 足元以外も見る: 多くの人が下ばかり向いて歩いていますが、チャイニーズ・シアターの手形・足形(こちらは「ウォーク・オブ・フェイム」とは別の、劇場独自のものです)や、周囲のアール・デコ様式の建築も一見の価値があります。
  • 所要時間: サッと見るだけなら1時間、じっくり名前を探して写真を撮るなら3時間は見ておきましょう。

次にロサンゼルスへ行く機会があれば、スマホの地図アプリに「Musso & Frank Grill」を入力してみてください。1919年創業、ハリウッド最古のレストランです。この店の前を通り過ぎる時、あなたの足元には、かつてこの場所で食事をしていた伝説のスターたちの名前が刻まれているはずです。

それこそが、この通りが持つ本当の価値なのかもしれません。


具体的な次のステップ:
ハリウッド大通りの混雑を避けて撮影したいなら、**「バイン・ストリート(Vine St)」**側から探索を始めることをお勧めします。メインの大通りに比べて人通りが少なく、キャピトル・レコード・ビルなどの象徴的な建築物と一緒に、比較的きれいな状態で星を写真に収めることができます。